法人で不動産投資を始めて、現在は築古戸建てを2軒保有しています。
そして法人3軒目として、ついに一棟アパートを検討していました。
築47年の軽量鉄骨アパート。
利回り13.85%。
満室。
りそなで1,600万円、20年ローンが組める可能性あり。
数字だけ見ると、かなり魅力的でした。
ただ、現地確認をしてみると、やはり築古一棟の重さを感じました。
建物の年数。
修繕リスク。
空室履歴。
地目山林。
土地値が読みづらいこと。
金利未定の怖さ。
最初は電卓がニヤニヤしていましたが、現地を見たあとは電卓も少し黙りました。
そこで、現在の価格では手が出せないと判断し、1,800万円までの値下げを要望しました。
しかし、売主様としてはまだそこまで下げる考えはないとのこと。
結果、一度見送ることにしました。
一棟アパートは夢があります。
ただし、夢の横には修繕見積書が座っています。
今回は、その見積書の気配が少し濃かったです。
一棟を見送った直後に、リースバック案件が来た
そんな中、新たに入ってきたのがリースバック案件です。
不動産投資、こちらが一度冷静になった瞬間に、次の案件がやってきます。
まるで、
「一棟アパートは見送ったんですね。では、こちらはいかがでしょう」
と不動産の神様が次のカードを出してきた感じです。
今回の物件は、築浅の戸建て。
価格は1,100万円。
賃料は月92,000円。
年間賃料は1,104,000円。
表面利回りは約10.03%です。
一棟アパートの13.85%と比べると、利回りは落ちます。
ただし、こちらは築浅戸建て。
しかも現在の所有者様がそのまま住み続けるリースバックです。
つまり、購入後すぐに入居者募集をする必要がありません。
空室スタートではありません。
ここはかなり大きいです。
築古一棟アパートでガクブルしていた心に、築浅戸建てリースバックという少し優しい響き。
完全に油断はできませんが、少なくとも築47年一棟アパートよりは、心臓にやさしそうに見えました。
土地値は低い。でも建物が新しい
今回の物件は、土地値が強いタイプではありません。
土地面積も大きくありません。
土地値で下支えがあるというより、建物と賃料で見る案件です。
ここは築古戸建て投資とは少し違います。
私が今まで見てきた築古戸建ては、
「建物は古いけど、安く買って利回りを取る」
という考え方でした。
一方、今回のリースバック物件は、
「土地値はそこまで強くないけど、築浅で賃料が取れる」
という感じです。
建物は2012年築。
平成24年築です。
築古の世界にいると、2012年築はもはや新築に見えます。
築47年のアパートを見た後だと、2012年築は若手有望株です。
プロ野球でいうとドラフト上位です。
築古戸建てばかり見ている大家からすると、
「え、雨漏りしてないの?」
「給湯器まだ生きてるの?」
「外壁すぐ塗らなくていいの?」
と、逆に疑ってしまいます。
築古大家、完全に感覚が麻痺しています。
リースバックという特殊な投資
ただし、リースバックは普通の賃貸とは少し違います。
売主様が自宅を売却し、そのまま賃借人として住み続ける形です。
今回は任意売却案件。
住宅ローンの滞納により期限の利益を喪失し、金融機関から残債の一括返済を求められているとのことです。
滞納理由は家庭の事情により一時的に家計が厳しくなったため。
現在は事情も解消しているものの、一括返済請求は継続している。
この背景を見ると、単なる収益物件ではありません。
そこには家族の生活があります。
所有者様は42歳の会社員。
奥様は39歳のアルバイト。
お子様は小学生。
つまり、ここでリースバックが成立すれば、このご家族は住み慣れた家に住み続けることができます。
これは、ただの利回り10%案件とは少し違います。
もちろん投資なので、収支は大事です。
でも、築古戸建て投資を始めてから感じている、
「誰かの住まいを支えている」
という感覚に近いものがあります。
株式投資ではなかなか感じられない部分です。
賃料92,000円は魅力的
今回の賃料は月92,000円です。
年間で1,104,000円。
価格1,100万円に対して、表面利回りは約10.03%。
固定資産税・都市計画税は年81,314円とのこと。
単純に年間賃料から固定資産税を引くと、
1,104,000円 − 81,314円 = 1,022,686円
税金差引後でも、かなりの収入があります。
もちろん、ここから保険、管理、修繕リスクなどは考える必要があります。
ただ、賃貸期間中の設備修繕費は借主様負担という条件です。
現時点で雨漏り、給排水設備、給湯器などの大きな不具合も確認されていないとのこと。
室内も大きな修繕が必要な状態ではなく、クロス張替え等で対応可能な範囲とのことです。
このあたりはかなり安心材料です。
築古物件だと、
「買った瞬間に修繕費こんにちは」
ということがあります。
今回は築浅で、設備修繕も借主負担。
ここはかなり魅力的です。
ただし、債権者同意というラスボスがいる
しかし、この案件にも大きな壁があります。
それが、
債権者の同意
です。
仲介さんの見立てでは、この案件は売主様の希望賃料から逆算して販売価格が設定されており、周辺相場と比較すると売却価格が低いとのこと。
そのため、債権者の同意を得るのは簡単ではないかもしれないとのことでした。
むしろ、通常売却の方が債権者の承諾を得やすいのではないか、という見立てもありました。
つまり、こちらが買いたいと思っても、それだけでは成立しません。
売主様が売りたい。
買主が買いたい。
でも債権者が認めるかは別。
ここが任意売却案件の難しいところです。
不動産投資なのに、途中で金融機関というラスボスが出てきます。
しかもこちらはまだ勇者レベル3くらいです。
戸建て2軒しか持っていません。
装備は電卓と印鑑です。
買戻し希望もある
売主様は、7〜8年後を目安に、売却価格の110〜130%程度での買戻しを希望されています。
これは必須条件ではありません。
ただ、リースバック案件としては重要なポイントです。
仮に1,100万円で購入し、将来1,210万円から1,430万円程度で買戻しとなれば、家賃収入に加えて売却益も見込める可能性があります。
もちろん、これは希望であって確定ではありません。
7〜8年後に本当に買い戻せるのか。
買戻し資金を用意できるのか。
住宅ローンが使えるのか。
家庭状況が変わらないのか。
ここは分かりません。
ただ、うまくいけば、
毎月の家賃収入。
築浅戸建ての安定運用。
将来的な買戻し出口。
この3つが見える案件になります。
投資としても、人の住まいを支える意味でも、面白いと思いました。
一棟アパートではなく、リースバックを選んだ理由
今回、法人3軒目として一棟アパートを見送り、リースバック案件に申し込みました。
その理由はシンプルです。
一棟アパートは、金額もリスクも大きかった。
築47年。
過去の空室履歴。
地目山林。
土地値の読みづらさ。
大規模修繕の可能性。
金利未定。
キャッシュフローは出る計算でした。
ただ、失敗した時のダメージが大きい。
一方、今回のリースバック案件は、価格1,100万円。
法人としては大きな投資ですが、一棟アパートよりは金額が抑えられます。
築浅。
賃料92,000円。
保証会社加入必須。
借家人賠償責任保険加入必須。
設備修繕は借主負担。
空室スタートではない。
このあたりを考えると、法人3軒目としてはかなり現実的に感じました。
もちろんリースバック特有のリスクはあります。
債権者同意が取れない可能性。
将来の退去リスク。
買戻しが実現しない可能性。
土地値が低いこと。
ただ、一棟アパートで大きく勝負するより、今回の築浅リースバック戸建ての方が、自分の今の法人ステージには合っているのではないかと考えました。
一棟アパートは中ボス。
リースバックは特殊ステージ。
どちらも簡単ではありません。
でも、今の自分には特殊ステージの方がまだ戦えそうに見えました。
申し込みをしました
いろいろ考えた結果、今回のリースバック案件に申し込みをしました。
正直、まだ買えるかどうかは分かりません。
債権者の同意が必要です。
売主様の事情もあります。
代理人弁護士との交渉もあります。
こちらが「買います」と言っても、すぐに決まる案件ではありません。
でも、物件としては面白い。
築浅。
賃料高め。
利回り10%。
設備修繕は借主負担。
住み続けたい家族がいる。
将来的な買戻し希望もある。
そして、法人3軒目として無理をしすぎない価格帯。
これは申し込む価値があると判断しました。
ChatGPTにも相談しながら、数字とリスクを見て考えました。
最後はやはり、自分の判断です。
不動産投資は、電卓だけでは決まりません。
でも、感情だけでも決めてはいけません。
電卓と感情。
利回りと生活。
投資と住まい。
この間で、今日も会社員大家は悩んでいます。
まとめ
法人3軒目として検討していた一棟アパートは、現地確認の結果、現在価格ではリスクが大きいと判断し、1,800万円までの値下げを要望しました。
しかし売主様はそこまでの値下げを考えていないとのことで、一度見送ることにしました。
その直後に入ってきたのが、今回のリースバック案件です。
価格1,100万円。
賃料月92,000円。
年間賃料110.4万円。
表面利回り約10.03%。
2012年築の築浅戸建て。
所有者様がそのまま住み続けるリースバック。
任意売却案件のため、債権者同意という大きなハードルはあります。
ただ、一棟アパートよりも金額が抑えられ、築浅で修繕リスクも比較的読みやすい。
法人3軒目として、今の自分にはこちらの方が合っているのではないかと考えました。
不動産投資は、次から次へと悩みが出てきます。
一棟アパートで震えたと思ったら、今度はリースバックで悩む。
まったく心が休まりません。
ただ、こうやって一つずつ案件を見て、考えて、見送って、申し込んで、経験を積んでいくしかありません。
今回のリースバック案件、果たして債権者同意は取れるのか。
本当に法人3軒目になるのか。
それとも、また幻の物件としてブログのネタだけ残して消えていくのか。
会社員大家、今日も電卓を片手に、次の展開を待っています。
