2026年5月、法人で2軒目の不動産を購入しました。
今回の物件は、神戸市北区の戸建てオーナーチェンジ物件です。
家賃は月43,000円。
管理費は月1,300円。
購入価格は330万円。
表面利回りで計算すると、
43,000円 × 12ヶ月 ÷ 3,300,000円 = 約15.6%
管理費を引いた簡易的な手残りベースでも、
(43,000円 − 1,300円)× 12ヶ月 ÷ 3,300,000円 = 約15.1%
数字だけ見ると、
「お、これはなかなか良いのでは?」
となります。
ただ、不動産投資はそんなに甘くありません。
今回の物件は、まさに
数字は良い。
でも心臓には悪い。
そんな物件でした。
もともとは440万円だった
この物件は、最初から330万円だったわけではありません。
ポータルサイトで見つけた時は、たしか440万円前後で掲載されていました。
正直、その価格だとそこまで強烈な魅力はありませんでした。
築古戸建て。
坂のあるエリア。
建物も古い。
そしてオーナーチェンジ。
もちろん利回りは悪くないですが、440万円だと
「うーん、面白いけど、飛びつくほどではないかな」
という印象でした。
ところがある日、価格が下がっていることに気づきます。
440万円台から、330万円へ。
え?
110万円下がってる。
株で言えば、いきなり大陰線です。
しかも今回は、買う側にとってはうれしい大陰線。
売主様側の事情としては、株の損失回避、資産の現金化のような事情があったようです。
私はその値下がりをポータルサイトで見つけ、
「これは一度、聞いてみるしかない」
と思い、買い付けを入れることにしました。
330万円なら急に面白く見えてくる
不動産投資でよく言われるのが、
不動産は買値がすべて
という言葉です。
本当にそうだと思います。
440万円の時は、
「ちょっと悩むな」
という物件でも、
330万円になると、
「いや、これ面白いのでは?」
に変わります。
人間とは単純なものです。
スーパーで半額シールを見た時と同じです。
元々買う予定がなかったお惣菜でも、半額になると急に輝いて見えます。
今回の物件もまさにそれでした。
しかも家賃は月43,000円。
年間家賃は516,000円。
購入価格330万円なら表面利回り約15.6%。
法人1期目の決算も、なんとか黒字で着地させたい。
2軒目を持てば、家賃収入も増える。
銀行や信用金庫に見せる実績にもなる。
こうなると、頭の中ではもう電卓が暴走します。
「これは買うべきでは?」
「いや、でも怖いぞ」
「でも利回りは良い」
「でも何かありそう」
「でも330万円」
完全に、欲望と不安の綱引きです。
購入前は滞納なしと思っていた
購入前の確認では、家賃滞納はないと認識していました。
オーナーチェンジ物件で一番怖いのは、やはり入居者トラブルです。
空室物件なら、自分でリフォームして、自分で募集して、条件を整えることができます。
でもオーナーチェンジは、すでに入居者様が住んでいます。
家賃が入る状態で買えるメリットがある一方で、
中が見えない。
生活状況も見えない。
過去の管理状況も完全には見えない。
つまり、見えないものだらけです。
不動産投資なのに、途中から占いみたいになってきます。
「この入居者様は大丈夫なのか」
「長く住んでくれるのか」
「退去したらどれくらい修繕がかかるのか」
「そもそも室内はどうなっているのか」
考え出すと止まりません。
ただ、保証会社に加入していること、管理会社も入っていること、家賃保証の内容があることから、一定のリスクは抑えられるのではないかと考えました。
ところが、あとから滞納が見えてくる
購入検討を進める中で、保証会社への確認内容が共有されました。
そこで出てきたのが、支払い履歴です。
1月分は1月30日支払い。
2月分は2月24日支払い。
3月分は4月3日支払い。
4月分は5月1日支払い。
5月分は、確認時点で未納。
あれ?
滞納なしじゃなかったの?
という気持ちになります。
正確に言うと、オーナーへの送金は保証会社から毎月されているとのことでした。
つまり、オーナー側から見ると家賃は入っている。
でも、入居者様側では支払い遅れが発生している。
このパターンです。
不動産投資初心者の私からすると、
「家賃が入っている=問題なし」
と思いがちですが、実際にはその裏側で保証会社が回収している可能性もあります。
これは勉強になりました。
オーナーチェンジ物件では、
オーナーへの入金状況
入居者から保証会社への支払い状況
この2つを分けて確認しないといけません。
今回、そこに気づけたのは良かったです。
良かったのですが、
購入前に気づいた時の気持ちは、
「いや、今それ出てくるんかい」
です。
入居者様は生活保護を受給されている方だった
さらに確認を進めると、入居者様は生活保護を受給されている方であることが分かりました。
この点については、良い悪いという話ではありません。
生活保護を受けながら、きちんと生活されている方も多くおられます。
ただ、大家側としては、家賃の支払い方法や生活状況、今後の継続居住の可能性など、確認しておくべき点は増えます。
特に今回は、支払い遅れが出ていたため、
「これは大丈夫なのか」
という不安は大きくなりました。
しかも室内は見られません。
生活状況も分かりません。
こちらに見えているのは、家賃43,000円と、保証会社の説明と、ポータルサイトの写真だけ。
もはや情報量としては、ほぼ福袋です。
中身は分からない。
でも、値段は安い。
買うか、買わないか。
新年でもないのに、築古戸建て福袋を前に悩むことになりました。
仲介さんとのやり取りで少し安心する
今回の仲介さんは、かなり丁寧に対応してくれました。
入居者様の状況。
保証会社の内容。
万が一の時の保証。
退去した場合の賃貸付け。
屋根の状態。
いろいろ確認してくれました。
特に印象的だったのは、屋根の状態確認です。
なんと、ドローンで撮影してくれました。
築古戸建ての屋根確認にドローン。
一気に近未来です。
こちらは昭和の築古戸建てを買おうとしているのに、確認方法だけ令和最先端。
このギャップがすごい。
「築古戸建て × ドローン」
なんとなく、弱そうなポケモンが急に最新装備を持たされた感じです。
動画で見る限り、屋根はきれいに見えました。
令和5年に雨漏れがあった際に修繕されているとのことで、早急な修繕は不要ではないかという話でした。
もちろん、築古なので油断はできません。
築古戸建てに「絶対大丈夫」はありません。
あるのは、
「今のところ大丈夫そう」
だけです。
保証会社の内容はかなり心強かった
今回、保証会社の内容はかなり重要な判断材料になりました。
通常3ヶ月の家賃保証のところ、特別住居プランで5ヶ月保証。
さらに、万が一、入居者様が行方不明や死亡となった場合の保証もあるとのこと。
また、裁判になった際の弁護士費用も保証会社が負担。
修繕についても家賃の3ヶ月分保証されるとの説明がありました。
もちろん、保証会社があるから完全に安心というわけではありません。
ただ、何もないよりは全然違います。
築古戸建て投資は、どうしてもトラブルが起きる可能性があります。
だからこそ、
「トラブルが起きない物件を買う」
というより、
「トラブルが起きた時に、どこまで受け止められるか」
が大事だと感じました。
今回の物件は、入居者様の支払い遅れという不安要素はあるものの、保証会社の内容があったことで、ギリギリ前に進めると判断しました。
退去された場合のシミュレーション
もちろん、入居者様が今後退去される可能性もあります。
その場合、再募集が必要になります。
管理会社に確認してもらったところ、募集時のADは通常2ヶ月分。
敷金礼金0円。
場合によってはフリーレント1ヶ月を付ける可能性もあるとのことでした。
ハウスクリーニングだけで済めば5万円程度。
ただし、クロス張替えなどを含む原状回復になると、70㎡前後の戸建てでは40万円から60万円くらいになる可能性もあるとのこと。
この金額を見ると、現実に引き戻されます。
利回り15.6%!
と喜んでいても、退去一発で40万円、50万円が飛ぶ可能性があります。
家賃43,000円の物件で、原状回復50万円。
約1年分の家賃です。
これが築古戸建て投資の怖いところです。
数字上は高利回り。
でも、修繕が来ると一気に現実。
まるで、健康診断の前日だけ野菜を食べても意味がないのと同じです。
普段の積み重ねが大事。
築古戸建ても、購入前の見極めと、購入後の管理が大事だと思いました。
建ぺい率の問題もあった
今回の物件では、建ぺい率についても確認しました。
建物の保存登記は昭和46年1月30日。
土地の分筆登記が昭和45年10月。
時期を考えると、建築時は適法だったものの、現在は分筆の関係で、今の基準では同じ大きさの建物を建てることは難しそうだという説明でした。
つまり、
建築時は適法。
今は同じ規模では建て替えできない可能性あり。
これも築古戸建てではよくある話です。
再建築できるかどうか。
同じ大きさで建て替えできるかどうか。
道路、接道、建ぺい率、容積率。
このあたりは、初心者には本当に難しいです。
私は毎回、
「不動産投資というより、もはや行政クイズでは?」
と思っています。
それでも購入した理由
不安材料はありました。
滞納リスク。
生活状況が見えないこと。
退去時の修繕リスク。
建ぺい率の問題。
築古戸建て特有の見えない不安。
それでも購入した理由は、やはり価格です。
330万円。
家賃43,000円。
管理費1,300円。
保証会社あり。
管理会社あり。
ドローンで屋根確認済み。
そして法人1期目の家賃収入を積み上げたいという思い。
正直に言うと、
「これは絶対勝てる!」
というより、
「これ、うまくいってくださいお願いします」
という気持ちです。
投資というより、最後は神頼み。
不動産投資家というより、不動産祈祷師です。
ただ、何もせずに見送っていても、経験は増えません。
1軒目を買って、2軒目に進む。
小さく買って、実際に運営して、失敗しない範囲で学んでいく。
この方針で進めるしかないと思いました。
買ったあとに思ったこと
購入後の正直な気持ちは、
「失敗したかなー」
です。
これは本音です。
買った瞬間にテンションが上がるかと思いきや、意外と不安が来ました。
家賃は入るのか。
入居者様は大丈夫なのか。
退去にならないか。
室内は荒れていないか。
修繕費はいくらかかるのか。
法人決算は黒字にできるのか。
考えることが一気に増えました。
不動産を1軒買うと、家賃収入が増えます。
でも同時に、心配事も増えます。
資産を買っているはずなのに、不安もセットで買っている感じです。
これが不動産投資のリアルなのだと思います。
今後の運用方針
まずは、家賃入金の確認をしっかり行います。
保証会社からの送金があるから安心、で終わらせず、入居者様側の支払い状況も管理会社を通じて確認していきたいと思います。
また、退去リスクに備えて、修繕費の資金も確保しておく必要があります。
高利回り物件ほど、手元資金が大事です。
利回りだけ見て買うと、修繕費で一撃をくらいます。
今回の物件は、うまくいけば非常に良い買い物になると思います。
でも、うまくいかなければ、
「高利回りに見えた修行物件」
になる可能性もあります。
どちらに転ぶかは、これからの運営次第です。
まとめ
今回学んだことは、
オーナーチェンジ物件は、家賃が入っているだけでは安心できない
ということです。
保証会社からオーナーに入金されていても、入居者様側で遅れが出ている可能性があります。
ここは次回以降、必ず確認したいと思います。
そしてもう一つ。
築古戸建て投資は、利回りだけでなく、心の利回りも大事
です。
利回り15%でも、毎日不安で眠れなければ、それは本当の意味での不労所得ではありません。
今のところ、2軒目は安定運用できるか神頼みの状態です。
ただ、せっかく購入したからには、しっかり管理し、経験値に変えていきたいと思います。
これで法人の不動産は2軒目。
まだまだ小さな一歩ですが、少しずつ前に進んでいます。
次回は、
「2軒目は無事に家賃が入り続けるのか」
「それとも築古戸建ての洗礼を受けるのか」
このあたりを、またリアルに書いていきたいと思います。
不動産投資、楽しいです。
でも、胃には悪いです。
