日本版QYLD 2865を売るべきか。毎月分配の魔力とカバードコールの罠

日本版QYLDこと、グローバルX NASDAQ100・カバード・コール ETF、証券コード2865を購入してしばらく経ちました。

最初に買った理由は、とてもシンプルです。

利回り10%って、すごくない?

これです。

毎月分配。

高い利回り。

NASDAQ100に関連する商品。

この3つが並ぶと、投資家の心は簡単に揺れます。

いや、揺れるというより吸い寄せられます。

まるで夜中のラーメンです。

体に良いかどうかは一旦置いておいて、魅力がすごい。

目次

10%利回りへの憧れ

2865を買った時、私は毎月分配にかなり魅力を感じていました。

株式投資をしていると、配当金や分配金はやっぱりうれしいです。

しかもそれが毎月入ってくる。

これは精神的にかなり強いです。

通常の投資信託やインデックス投資は、資産は増えていても、基本的には画面上の数字が増えているだけです。

もちろん、それが王道なのは分かっています。

日経平均インデックスやNASDAQ100の方が、長期的な総合リターンでは有利かもしれない。

それも頭では分かっています。

でも、毎月お金が入ってくる感覚は、やはり強いです。

人間は合理性だけでは動けません。

毎月1万円入ってくると、口座が小さく拍手してくれている気がします。

「今月もおつかれさま」

そう言われているような気分になります。

しかし、トランプショックで現実を見る

ところが、そんな2865にも試練が来ました。

トランプショックです。

価格が急落しました。

NASDAQも下がりました。

当然、2865も下がりました。

ここまではまだ分かります。

問題はその後です。

NASDAQは戻ってきました。

しかし、2865はなかなか戻ってきません。

ここでカバードコール戦略の悪いところが顔を出しました。

下落には付き合う。

でも上昇には全力で付き合えない。

これです。

まるで、飲み会の会計にはしっかり参加するのに、二次会の楽しいところでは帰ってしまう友人みたいです。

下げには同席。

上げには途中退席。

これがカバコの切なさです。

ようやく買値付近まで戻ってきた

しばらく含み損を眺める日々が続きました。

証券口座を見るたびに、

「お前、まだそこにいるのか」

という気持ちになります。

売ろうかな。

でも毎月分配金は入ってくるしな。

でもNASDAQは戻っているのに、こっちは戻りが鈍いな。

でも売ったら毎月の分配金がなくなるな。

この無限ループです。

しかし、最近になってようやく価格が買値付近まで戻ってきました。

現在の保有は1,125株。

取得単価ベースで見ると、今売れば約6万円のプラスです。

ついに脱出できる位置まで来ました。

沈没船から救命ボートが見えてきた感じです。

ただ、ここで問題が出てきます。

売るのか?
持ち続けるのか?

これが非常に悩ましい。

売れば6万円。持てば毎月約1万円

現在、2865は1,125株保有しています。

仮に1株あたり月10円の分配金があるとすると、

1,125株 × 10円 = 11,250円

つまり、税引前で毎月約1.1万円の分配金です。

これは大きいです。

毎月1万円。

年間で約13.5万円。

売却益6万円と比べると、だいたい5〜6か月分の分配金です。

こう考えると、ますます悩みます。

売れば今すぐ6万円。

持てば毎月約1万円。

目の前の6万円か。

毎月の小さな給料袋か。

まるで、

「今すぐステーキを食べるか」

「毎月牛丼券をもらうか」

みたいな選択です。

どちらも魅力的で困ります。

毎月1万円を積み立てたらどうなるのか

ここで、冷静になるために計算してみます。

現在の保有数は1,125株。

分配金は1株あたり月10円と仮定。

2865の価格はざっくり1株1,300円として計算します。

今後、毎月1万円ずつ2865を買い増していくとします。

毎月買える口数は、

10,000円 ÷ 1,300円 = 約7.7株

1年で約92株。

10年で約923株です。

現在の1,125株に足すと、

1,125株 + 923株 = 約2,048株

10年後の月額分配金は、

2,048株 × 10円 = 約20,480円

つまり、毎月1万円をコツコツ積み立てると、10年後の分配金は税引前で月2万円くらいになります。

現在が月約1.1万円。

10年後が月約2万円。

劇的に人生が変わるほどではありません。

でも、毎月2万円のインカムがあるのは普通にうれしいです。

スマホ代、サブスク、外食数回分くらいは払えます。

家計に小さな味方ができます。

分配金も再投資したら夢が少し広がる

さらに、分配金を使わずに再投資した場合も考えてみます。

税金を考慮して、分配金10円のうち実際に使えるのを約8円とします。

毎月1万円の積立に加えて、受け取った分配金もすべて再投資する。

この条件で10年間続けると、ざっくり保有口数は約3,700株まで増えます。

3,700株 × 10円 = 月37,000円

税引前で月3.7万円。

税引後でも月3万円弱くらいです。

ここまで来ると、かなり存在感が出てきます。

月3万円のインカム。

これはもう、ちょっとした家賃収入です。

いや、築古戸建ての管理費と固定資産税を払ってもお釣りが来るかもしれません。

ただし、この計算にはかなり大きな前提があります。

価格が1,300円のまま。

分配金が毎月10円のまま。

10年間続く。

税制も大きく変わらない。

つまり、かなり都合の良い世界です。

投資の世界でこの前提を信じすぎると、あとで市場から肩を叩かれます。

「ちょっと話がある」

と言われます。

だいたい良い話ではありません。

計算結果まとめ

ざっくり計算すると、こんな感じです。

パターン10年後の保有口数月額分配金の目安
今のまま保有1,125株約11,250円
毎月1万円だけ買い増し約2,048株約20,480円
毎月1万円+分配金も再投資約3,700株約37,000円

こうして見ると、毎月1万円の積立だけでは、10年後に月2万円程度。

分配金も再投資すれば、月3万円台も見えてきます。

ただし、これはあくまで計算上の話です。

分配金は変わります。

価格も変わります。

NASDAQも動きます。

為替も動きます。

アメリカ大統領の発言でも動きます。

投資家のメンタルも動きます。

むしろ一番よく動くのはメンタルかもしれません。

2865を持ち続けるメリット

2865を持ち続けるメリットは、やはり毎月分配です。

これは強いです。

毎月お金が入る。

目に見えるインカムがある。

投資を続けるモチベーションになる。

株価が多少下がっても、

「まあ、分配金は入るし」

と思える。

これは精神安定剤のような効果があります。

もちろん、投資商品なので本当の精神安定剤ではありません。

むしろ相場が荒れると普通に不安になります。

それでも、毎月の入金は投資を続ける理由になります。

私のように、不動産投資もやりつつ、毎月のキャッシュフローに魅力を感じるタイプには、かなり相性が良い部分があります。

売るべきか、持つべきか

では、今売るべきなのか。

持ち続けるべきなのか。

正直、かなり悩みます。

今売れば約6万円の利益。

これは確定できます。

含み益は幻。

利確して初めて現実。

この考え方も分かります。

一方で、持ち続ければ毎月約1万円の分配金があります。

これも魅力です。

毎月入ってくるインカムは、投資を続ける楽しさにつながります。

ただ、2865に資金を置き続けるということは、その分、日経平均インデックスやNASDAQ100インデックスに回せないということでもあります。

機会損失です。

分かっています。

分かっているのですが、毎月分配の魔力が強い。

毎月分配は、投資界のこたつです。

一度入るとなかなか出られません。

「インデックスの方が効率いいよ」

と頭では分かっていても、

「でも毎月1万円入るしな」

と心が言ってきます。

心の中に小さい高配当おじさんが住んでいます。

2865との付き合い方

2865は、資産形成の主力にするよりも、インカムを楽しむ枠として持つ方が自分には合っている気がします。

総資産を大きく増やす目的なら、インデックス投資の方が向いているかもしれません。

でも、毎月のキャッシュフローを感じたい。

分配金を受け取りたい。

投資を続ける楽しみがほしい。

そういう目的なら、2865にも意味はあります。

つまり、2865は投資効率だけで見る商品ではなく、

毎月入金される楽しみを買っている商品

とも言えます。

ただし、その楽しみに高いコストを払いすぎていないかは、定期的に確認が必要です。

毎月分配という名前の砂糖をかけすぎると、投資の健康診断で引っかかります。

まとめ

日本版QYLD、2865を購入してしばらく経ちました。

10%近い利回りと毎月分配に惹かれて買いました。

しかし、トランプショックで価格が急落。

NASDAQは戻ったのに、2865はなかなか戻らず、カバードコール戦略の弱点も実感しました。

そして今、ようやく買値付近まで戻ってきました。

現在1,125株保有。

今売れば約6万円のプラス。

一方で、持ち続ければ毎月約1万円の分配金。

ここが悩ましいところです。

計算上、毎月1万円ずつ買い増せば、10年後の月額分配金は約2万円。

分配金も再投資すれば、月3万円台も見えてきます。

ただし、分配金も価格も将来どうなるかは分かりません。

今のところの結論は、2865を資産形成の主力にするのではなく、毎月インカムを楽しむ枠として付き合うのが良さそうです。

インデックス投資の合理性も分かっています。

でも、口座に毎月お金が入ってくる喜びも捨てがたい。

投資とは、数字との戦いであり、欲望との戦いでもあります。

今日も私は、証券口座を見ながら悩んでいます。

売るべきか。

持つべきか。

それとも、分配金を見てニヤニヤするだけで終わるのか。

2865との付き合いは、もうしばらく続きそうです。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次